会長挨拶
初代会長挨拶 中澤惠江(なかざわめぐえ)
 「全国盲ろう教育研究会」は、2003年に発足した目と耳の両方に障害を併せ有する「盲ろう
児・者」の教育及び福祉に関わる多様な事柄を研究し、その向上に寄与することを目的とす
る、日本で初めての全国的な研究会です。会員は、盲ろう教育にかかわる学校教員だけでな
く、盲ろう当事者、盲ろう児・者の家族、盲ろうの療育・リハ・医療・通訳介助等にかかわる専門
家および研究者等、盲ろう児・者の教育と福祉に貢献し、情報を分かち合う意欲のある人々を
対象としています。会員の多様性と地理的多様性は、研究活動を豊かにする原動力になると
考えています。
 「盲ろう者」は、2001年厚生労働省身体障害者実態調査によれば、全国で13,000人いると推
定されています。盲・聾・養護学校等に在籍している盲ろうの幼児・児童・生徒に限定すると、
338人が1998年の国立特殊教育総合研究所の実態調査によって特定されています。重度の
情報・コミュニケーション障害をもたらす盲ろうは、特有なニーズがあり、特有の配慮が求めら
れます。
研究会は、夏の研究協議会や研究紀要を通して、全国各地で積み重ねられつつある盲ろう児
者への支援の実践や研究の報告を行い、情報や新しい試みを分かち合い、盲ろう児者の教
育と福祉へ貢献してまいりました。
 一人でも多くの方々のご参加を、心から期待しております。(2006年6月5日)

初代会長退任挨拶 中澤惠江(なかざわめぐえ)
 全国盲ろう教育研究会第21回研究協議会の冒頭で、本研究会会長の中澤惠江より挨拶を
させていただきましたが、その一部を掲載することで、退任のご挨拶に代えさせていただきま
す。

 本研究会は、今日まで研究紀要の発行や研究協議会の開催、ホームページ等を通して、教
育実践の報告や交流、最新情報の提供等を図ってまいりました。研究協議会は、盲ろう教育
にかかわる学校の教職員だけではなく、盲ろう児・者のご家族、盲ろう当事者、研究者、療育・
福祉・医療等関係する諸機関や諸団体のみなさま等、様々な立場の方々にご参集いただき、
発足来、毎年度、開催し、今日に至っております。研究協議会では、盲ろうの子どもたちが保
護者の方と一緒に参加し、子どもたちの活動を展開してきたことも大きな特徴の一つです。

 2003年(平成15年)、時代の大きなうねりと教育実践の積み重ね、そして、切実な要望に後
押しされるように、本研究会は発足いたしました。当時の全国盲学校長会会長、全国聾学校
長会会長、国立特別支援教育総合研究所理事長、全国盲ろう者協会理事長をはじめ、関係
する30名程の賛同を得て、2003年5月20日に「全国盲ろう教育研究会設立趣意書」を公表し、
今は亡き、塩谷治氏等、設立準備会のメンバーが中心となって、本研究会発足の準備を進め
ました。そして、同年7月25日、筑波大学附属盲学校において、全国盲ろう教育研究会設立総
会・第1回研究協議会を全国から100名程の方の参加により開催し、設立総会での承認を受
けて、熱気にあふれる中で、盲ろう児・者の教育及び福祉に関わる多様な事柄を研究し、その
向上に寄与することを目的として発足いたしました。

 その時から、丸20年、皆様に支えられながら、会長として、全国各地で積み重ねられている
盲ろう児・者への支援の実践や研究を結集し、実践と情報を分かち合い、盲ろう児者の教育と
福祉へ貢献することに努めてまいりました。

 私は、現在、アメリカに在住していること、体力的に無理ができないといったことから、20年と
いう区切りをもって、会長職をおりたいと考えております。改めまして、今日まで支えていただい
た皆さまに心よりお礼を申し上げます。

 研究会の活動が展開するために必要なことは、日本各地で盲ろうに関わる実践を続けてい
る方々が、より多くこの研究会に参加し、これまで個人のなかで閉ざされていた悩み、課題、失
敗、成功を同じ仲間と分かち合い、次のステップを共に踏み出すことだと考えております。一人
でも多くの方々の参画を期待しております。(2023年8月5日研究協議会開会時)

 中澤氏には、会長職を退任後も、本研究会の顧問として、大所高所から助言をいただ
くことになりました。

第2代会長挨拶 雷坂浩之(らいさかひろゆき)
 皆様、こんにちは。この度、全国盲ろう教育研究会の会長を仰せつかりました。筑波大学の
雷坂浩之と申します。

 研究会発足当時から、早20年、ずっと研究協議会や総会に関わらせていただいております。
ただし、関わりが長いだけで、副会長を仰せつかったのも数年前ですし、あまり研究会に貢献
してきたとは言いがたいのが正直なところです。

 また、盲ろう児者との直接的な関わりはあまりなく、附属視覚特別支援学校に在籍していた
盲ろうのお子さんの小学部と高等部時代に自立活動の指導や担任・進路指導などを受け持た
せていただいた程度です。

 当研究会や当事者との関わりがあまりない私に、会長などという重責が務まるかどうか、は
なはだ自信はありませんが、事務局長をはじめとした皆様のご協力を得ながら、前会長の中
澤先生の功績を汚すことのないよう頑張らせていただく所存です。

 会員の皆様にも、当研究会のますますの発展に向けて 、これまで以上のご支援・ご協力をよ
ろしくお願い申し上げます。簡単ではありますが、以上をもちまして、会長の挨拶とさせていた
だきます。(2023年8月5日定期総会開会時)