2007年8月9日(木)・10日(金)、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所を会場に
全国盲ろう教育研究会 第5回定期総会・研究協議会を開催いたしました。
盲・聾・特別支援学校の教員、福祉施設指導員、盲ろう児童生徒の保護者、大学教員、研究
者、医療関係者など76名(盲ろう児生・ボランティア・通訳者をのぞく)の方の参加がありまし た。
講演で大いに学び、実践報告に共感・感動し、8つのポスター発表に耳を傾けました。そし
て、分科会では時間を惜しんで語り合いました。また、ロビーに「点は語る」の展示コーナーを 設けました。保護者の方と参加した盲ろう児童生徒も手作りのウォーターベットやプールの心 地よさをたっぷりと楽しんでいました。
(実践報告)
「人と人とのつながり」と題しての埼玉からの実践報告では、ご両親、学校教員、ヘリコプター
の会(サポーター)の方、そして、盲ろう生徒と5者からの報告がありました。「今の課題は?」、 「何が必要なのか?」を捉え、まさしく、人と人とのつながりの中で取り組んでいる様子を報告 いただきました。それぞれの立場の方からの報告に共感・感動し、大いに学ぶと共に、報告の 中で、盲ろう生徒の「福岡県の特産物は?」の問いかけに、「からし明太子」と答えた協議会参 加者に、「なに?」、「たいこ?」といった質問をした様子に、ことばを捉えることの難しさを感じ、 そして、納得するまで聞く盲ろう生徒の姿に学ばされた実践報告でした。
(インターネットを介した講演の様子) (講演会の参加者)
2日目の「おとなになった先天性風疹症候群のこどもたち」と題したアメリカのヘレンケラーナ
ショナルセンターのナンシーオドネル氏の講演は、アメリカとインターネット回線を結び、オドネ ル氏の生講演を中澤会長が同時通訳するという形で行いました。1960年代に風疹の大流行 のあったアメリカの科学的な統計や知見をもとにお話くださいましたが、豊かな経験を踏まえ、 「保護者こそ、一番の観察者で、理解者です」、「皆で経験を共有していきましょう」との力強い 発言に励ましと連帯をいただきました。
(ポスター発表の様子)
そして、ポスターは8件発表がありました。教育実践を中心に、学校設備、グループホーム、
地域での取り組み、盲ろう教育草創期の教材・教具など多岐に渡る内容で、あちこちで語り合 う姿がみられました。 また、分科会(乳幼児期から高等部まで、コミュニケーション、卒業後の 生活・支援)では、時を惜しんで協議・検討を行いました。
なお、10日に行われました定期総会では、活動報告・計画、決算報告・予算について提案通
り承認され、新役員の選出が行われました。
定期総会・研究協議会開催にあたりましては、通訳者、ボランティアの方をはじめとして多く
の方々のご協力をいただきました。心より感謝申し上げます。
(詳細については、後日会報第5号にて報告いたします)
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